【第5回】ケーブルの選び方:大電流対策と「sq(スケア)」の秘密

②DIY実践・ベランダ発電システム構築

こんにちは!現役エンジニアのP助です。

[第4回]では、ベランダに最適なフレキシブルパネルの選び方と、影に強い「全並列接続」について解説しました。

システムもいよいよ完成間近ですが、今回は各機材を繋ぐ「ケーブル」のお話です。 地味な存在ですが、実はDIYソーラーにおいて一番「火災リスク」に直結するのが、このケーブル選び。エンジニアとして、絶対に失敗しない配線術を伝授します。

1. 100Aの衝撃!家庭用コンセントの「7倍」が流れる!?

「たかが12Vのシステムでしょ?」と侮ってはいけません。

電圧が低いということは、同じパワー(ワット)を出すために、その分とてつもない電流(アンペア)が必要になるということです。

例えば、1000Wのインバーターで家電を動かす時、バッテリーから流れる電流を計算してみましょう。

$$1000W \div 12V = 83.33…A$$

変換ロスを考えると、ピーク時には約100A近い電流が流れることもあります。

家庭用コンセント(最大15A)の約7倍です。普通の細い延長コードをここに繋いだら、一瞬で熱を持って溶け落ちます。

2. 「sq(スケア)」と「AWG」の比較一覧表

電気の世界では、ケーブルの太さを「sq(スケア)」「AWG」という単位で呼びます。

これらが混在すると混乱しやすいため、DIYでよく使われるサイズを中心に比較表を作成しました。

ケーブル許容電流の目安表

AWG (米国規格)sq (断面積:mm2)許容電流の目安 (A)主な用途のイメージ
AWG 161.25 sq約 15 〜 19 A小電力デバイス、信号線
AWG 142.0 sq約 20 〜 27 A一般的な家庭用延長コード
AWG 123.5 sq約 30 〜 37 Aソーラーパネル配線など
AWG 105.5 sq約 40 〜 49 Aチャージコントローラー周り
AWG 88.0 sq約 50 〜 61 A中規模システムの幹線
AWG 614 sq約 75 〜 88 Aバッテリー接続(小〜中規模)
AWG 422 sq約 100 〜 115 Aインバーター〜バッテリー間
AWG 238 sq約 145 〜 162 A大容量インバーター配線

【重要】ケーブル選定時の注意点

この表に記載している数値はあくまで一般的な目安です。実際に流して良い電流は、ケーブルの被覆(絶縁体)の耐熱温度配線する場所の周囲温度複数のケーブルを束ねるかどうかといった条件によって大きく変わります。

実際に施工する際は、必ず使用するケーブルのメーカーが発行しているスペックシート(仕様書)を確認し、安全率を十分に見込んだ設計を行ってください。

3. バッテリー寿命を伸ばす「たすき掛け配線」の極意

バッテリーを2個以上並列に繋いでいる方に、ぜひ実践してほしいのが「たすき掛け(対角接続)」です。

普通にプラスとマイナスの両方を「1台目のバッテリー」から取ってしまうと、手前のバッテリーばかりが酷使され、奥のバッテリーがサボってしまいます。その結果、手前だけが先に寿命を迎えることになりかねません。

【エンジニア流・正解の繋ぎ方】

  • プラスの線: 1台目のバッテリーの端子へ
  • マイナスの線: 最後の(一番奥の)バッテリーの端子へ

こうすることで、すべてのバッテリーを流れる電気の道のりが均等になり、バランスよく充放電できるようになります。これだけでシステムの安定性が大きく変わります。

下記はおススメのケーブルです。使用箇所はMPPT⇔バッテリー、バッテリー⇔インバーター

太陽光パネル⇔MPPTはこちらがおすすめです。

太陽光パネルが増えたときにおすすめの合流ケーブルはこちらです。

4. 「緩み」は火災の元! 締め付けは確実に

ケーブルを端子に繋ぐときは、必ず「丸型端子(R端子)」を使い、ボルトでガッチリと固定してください。

「指で揺らして動かない」のは当たり前。スパナやレンチを使って、しっかりトルクをかけるのがエンジニアの鉄則です。 接触が悪いと、そこが抵抗になって熱を持ち、最悪の場合は発火の原因になります。

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