こんにちは!現役エンジニアのP助です。
[第2回のインバーター編]では、エアコンの突入電流に耐える「1000W(瞬間最大2000W)の純正弦波インバーター」を選びました。これでシステムの「心臓」は完成です。
しかし、心臓を動かす「血液(電気)」を貯めるタンクが小さければ、せっかくの家電もすぐに止まってしまいます。 今回第3回のターゲットは、電気の貯金箱である「バッテリー」です。
「容量の計算って難しそう…」と思うかもしれませんが、安心してください。 P助がエンジニアの視点で「ロスまで考えた超実践的な目安」を、ズバリお伝えします!
結論:バッテリー1個 = エアコン1時間 or 除湿器4時間
AmazonやAliExpressでDIYソーラー用のバッテリーを探すと、一番スタンダードなのが「12V 100Ah(1200Wh)」というサイズのものです。
「この標準サイズのバッテリー1個で、我が家の家電はどれくらい動くのか?」 面倒な計算を省いた、ズバリの結論がこちらです。
- エアコン(750W) = 約1時間動く
- 除湿乾燥機(コロナ製・200W) = 約4時間動く
これが、ソーラーDIYにおける「リアルな基準値」になります。
あとは、あなたが「どの家電を、何時間動かしたいか」に合わせて、このバッテリーの個数を掛け算していくだけです!
- 「エアコンを2時間使いたい!」 → バッテリーが 2個(200Ah) 必要!
- 「除湿乾燥機を夜通し8時間回したい!」 → バッテリーが 2個(200Ah) 必要!
どうですか?これなら自分に必要なバッテリーの量が、パッとイメージできますよね。
1.なぜこの時間になるの?(知っておくべき「7割の法則」)
「ちょっと待って!1200Whのバッテリーなら、750Wのエアコンは1時間半くらい動くんじゃないの?」 ……と計算された方、素晴らしい着眼点です。しかし、そこがDIYソーラー最大の落とし穴です。
バッテリーに貯めた電気を100Vの家電で使うまでには、2つの大きな「ロス」が存在します。
- バッテリーは空っぽになるまで使えない(放電深度の壁): バッテリーは0%まで使い切ると寿命を縮めます。長持ちさせるためのプロの鉄則は「約80%までしか使わない」ことです。
- インバーターで変換する時に電気が減る(変換ロス): 直流12Vを交流100Vに変換する際、熱として約15%の電気が逃げてしまいます。
この2つのロスを掛け合わせると、「バッテリーに貯めた電気のうち、実際に家電で使えるのは【約7割(約800Wh)】になってしまう」のです。
実際に使える約800Whを、消費電力で割り算してみると……
- エアコン: 800Wh ÷ 750W = 約1.1時間
- 除湿乾燥機: 800Wh ÷ 200W = 約4.0時間
ピッタリ先ほどの結論と一致しましたね!これが、P助が弾き出した「ロスまで考えたリアルな目安」の理由です。
2.バッテリーの種類は「リン酸鉄(LiFePO4)」一択!
最後に、購入するバッテリーの種類ですが、ベランダ太陽光においては「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)」一択です。
安いからといって、車のバッテリーのような「鉛バッテリー」を買ってはいけません。重いだけでなく、半分くらいまでしか電気を使えないため、先ほどの「エアコン1時間」の法則が全く通用しなくなります。
リン酸鉄リチウムイオンなら、
- 安全: 熱暴走しにくく、火災のリスクが極めて低い!
- 長寿命: 10年以上使える(鉛バッテリーの数倍)!
- たっぷり使える: 先ほどの「7割の法則」をフルに活かせる!
メーカーは、DATOUBOSSのものがおすすめです。安く評判も良い上、日本の倉庫内に常にストックがあるようで、国内倉庫から発送という記載があります。
次回予告:バッテリーを満タンにする「パネル枚数」は?
これで「定格1000Wインバーター」と「バッテリーの必要な個数」が決まりました。 しかし、この大きなバッテリーを、ベランダの小さな太陽光パネルで満タンにするには、何枚のパネルが必要になるのでしょうか?
次回、「第4回:太陽光パネルの選び方」では、ベランダ特有の事情と、影に強い「オール並列接続」の鉄則を解説します。お楽しみに!

